死にたい人の手引き“完全自殺マニュアル”

Pocket

鶴見済の著書。1993年(平成5年)に、太田出版から発行され、100万部以上を売上げるミリオンセラー。

様々な自殺の方法が客観的に書かれている。

キャッチフレーズは“聖書より役に立つ,コトバによる自殺装置。”

スポンサーリンク
レクタングル(大)

内容

目次

  1. クスリ
  2. 首吊り
  3. 飛び降り
  4. 手首・頸動脈切り
  5. 飛び込み
  6. ガス中毒
  7. 感電
  8. 入水
  9. 焼身
  10. 凍死
  11. その他の手段

ただただ自殺するためだけに、その方法が細かく書かれている。
どうやって自殺するかという、実用書になっている。

記載内容は、読者に自殺を促す項目も扇動する項目も、それを阻止する項目もなく、極めて客観的である。

出典 完全自殺マニュアル – Wikipedia

各章で、苦痛、手間、見苦しさ、迷惑、インパクト、致死度の6項目を5段階で評価している。

クスリの章では、
「いちばん避けなければならないのが、飲んだクスリを吐き戻してしまうことだ。」
「クスリをより早く吸収し、効果的に急性中毒を起こすためには、胃のなかに食物が残っていてはいけない。ただし空腹すぎると、必要以上に過敏に反応してしまい、吐き出す危険性があり、そのバランスが難しいのだ。」
「アルコールを同時に飲むことは必須条件だ。」

首吊りの章では、
「首吊り以上に安楽で確実で、そして手軽に自殺できる手段はない。」

など、各章ごとに詳しくその自殺の説明、方法、注意点などが語られている。

また、章の間にあるコラムでは、全国の自殺の名所が紹介されている。

著者 鶴見 済

鶴見 済(つるみ わたる、1964年 – )
日本のフリーライター。東京都出身。東京大学文学部社会学科卒業。

やはり高学歴の人にはユニークな方が多いのか、完全自殺マニュアルを書いた理由をあとがきでこう書いている。

こういう本を書こうと思ったもともとの理由は、「自殺はいけない」ってよく考えたら何も根拠もないことが、非常に純朴に信じられていて、小学校で先生が生徒に「命の大切さ」なんていうテーマで作文を書かせちゃうような状況が普通にあって、自殺する人は心が弱い人なんてことが平然と言われていることにイヤ気がさしたからってだけの話しだ。「強く生きろ」なんてことが平然と言われている世の中は、閉塞してて息苦しい。息苦しくて生き苦しい。だからこういう本を流通させて、「イザとなったら死んじゃえばいい」っていう選択肢を作って、閉塞してどん詰まりの世の中に風穴を開けて風通しを良くして、ちょっとは生きやすくしよう、ってのが本当の狙いだ。
別に「みんな自殺しろ!」なんてつまらないことを言っているわけじゃない。生きたけりゃ勝手に生きればいいいし、死にたければ勝手に死ねばいい。生きるなんて、たぶんその程度のものだ。
出典『完全自殺マニュアル』p195 おわりに

発売されたとき10代だった自分にはずいぶん共感する言葉だったことを思い出します。

発売後自殺者は増えたのか?

発売当初自殺を助長するなど非難の多かった本書。実際の自殺者数はどうなったのか?

警察庁『自殺統計』によれば、本書が発売された1993年(平成5年)以降特別自殺者が増えた事実はなく、平成10年以降急激に自殺者が増加している。

完全自殺マニュアルが主な原因とされる自殺事例は未だにないといわれている。

しかし富士の樹海で自殺した人の多くがこの本を持っていたといわれていたり、
自殺を考えている人の参考になっていることは否定できないと思われる。

さいごに

発売されたとき、すぐに本屋に探しに行ったことを思い出します。
今読んでもこの本は面白いと思う。

誰にでも勧められる本だとは思わないし、僕自身自殺を薦めるものではない。
もちろん、目の前に自殺しようとしている人がいれば、
「やめろ」と言う。
「死ぬ勇気があれば何でもできる」と言う。
(いじめや借金が理由ならまだしも、不治の病に侵され痛みに苦しんでいる人にそう言えるかどうか・・・ケースバイケースだと思うけど)

実際この本があるからいつでも死ねるから、今死ぬのはやめたという人もいるようだし。
自殺を止める一定の効果もあったように思う。

自殺なんてタブーじみていて、普段なかなか考えていなかったことに真正面から向き合えた。
不謹慎なのかもしれないけれど、自殺を考えていない人間には純粋にエンターテイメントとして楽しめる、知的好奇心を刺激する本でした。

出版以来、改定されていないようなので、
掲載されているクスリは、今のものとは違うし、
練炭自殺や、硫化水素自殺などには触れていないので、
現代にあった改訂版をぜひ出版してもらいたいです。

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする